霊山入峰修行記

ちょっと過去のことになるけど、お許しを。2007年5月27日、この”しのご”は本山修験宗 聖護院門跡の末寺で宮城県丸森町にある駒場山 愛敬院の「霊山峰入り修行」に参加した。これは己の修行であって、決して記事を書くために行ったのではない。

駒場山 愛敬院

入峰修行とは、修験道における山伏の山岳修行のひとつ。しかし、羽黒山の山伏修行では「このところは深々秘密の行場なれば、ここで見たこと聞いたこと、例え親子兄弟、女房朋友たりとも、一切他言無用なり」と誓わされるらしい。羽黒山伏ばかりではなく他の山伏修行でも同様なのだと思うが、自分のためにも「霊山入峰修行」の記録は残しておきたかった。

入峰修行の場は福島県伊達市に位置する修行の山「霊山」。この山中において山伏修行をすることになる。霊山入峰修行の目的は疑死再生(ぎしさいせい)。つまり、「一旦、死の世界へ入り、山を母体と観想し、山中でいろいろな修行をして体についている塵(煩悩=悩み、苦しみ等)を振り落とし、清らかな体となって山を下り、わらの火を飛び、産声をあげて生まれ変わる」(解説書から抜粋)ことだ。

まず、修験道の山伏修行といえば、たぶん誰しもが思い浮かべられるのが「覗き修行」。煩悩をのぞく、捨身行のひとつということらしいく、凡夫の”しのご”としては、これをやらずには帰れないと思っていたのだ。逡巡している人には山伏が「不動明王が護ってくれる」と一言。初参加の我々は、ほぼ全員が元気よく修行意志を示す手を挙げたのだった。

断崖絶壁の岩の上から身を乗り出す覗き修行

霊山での入峰修行は、覗き修行を除けば行場のポイントで勤行をしながら進む。葬式や法事という、いわゆる抹香くさい場でしか経典を聞いたことがない身にはすがすがしい。読誦のコントロールやリズムをとる錫杖のシャリンシャリンという響き、山々にこだまする法螺貝の音は、心を洗われるようで異空間の世界に包まれたような錯覚を覚える。

雨滝不動尊で勤行の後、休憩

でも法螺貝のヘタな山伏は迷惑だ。フォ〜の心地よい音色のあとにキヒャァ〜ギヒョォ〜とくるので、リズムが狂う。せっかく神仏の世界に安住しているような気持ちよさでいるのに、一気に現実世界に引き戻されるのだ。山伏の皆さんには、法螺貝の練習をすることを切にお願いしたい。

なお、この修行記は本体サイトに詳しく掲載した。ふだん接することのない世界だろうから、興味のある人はどうぞ。

霊山入峰修行記
霊山入峰修行記その1
霊山入峰修行記その2
霊山入峰修行記その3
霊山入峰修行記その4
2007/07/19(Thu) 16:19:46 | 文化面
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