携帯カメラ画像の行く末

いま観光客の多い仙台の光のページェントで、どんなカメラを使っているのかを観察してみると、その場にいた全員が携帯カメラで撮影という場面に出会う。もはや携帯カメラで撮影している人を見かけることは、当たり前の光景だ。その比率はますます高まりをみせている。便利だから、「ちょいと“カシャ”」にはちょうどいいのだと思う。
携帯カメラで撮影する場合、撮影時の手ぶれやピントなどは気にならないのだろうか。撮影された画像の色見、画質なども不満はないのだろうかと思ってしまう。もっともユーザーとしては楽しめることが第一で、それ以外はさしたる問題ではないのだろう。

ここまでは趣味の問題であるから、特に目くじらを立てる必要もない。業務として携帯カメラは使えるのだろうか。過去には、ある私鉄で事故が発生したとき、関係者(運転手なのか車掌なのかは忘れた)が直ぐに携帯メールで事故の箇所を撮影し本社へメール送信。迅速な対応ができたということで、その撮影者は社長表彰を受けたと何かで読んだ記憶がある。

一方、携帯カメラで撮影された画像は縦位置が多いようだ。携帯カメラをヨコにすれば横位置撮影ができるのに、そんな工夫(頭を使う)をしているヤツは見たことがない。どうせ使うのなら、とことん使えばいいのにと思ってしまう。

アメリカのグラフィック雑誌「LIFE」には縦位置写真が多かった。基本的に縦長の雑誌の1ページが写真スペース、片側のページは記事スペースという構成だったため、縦位置の写真を採用するといわれていた。しかも、トリミングはあまりしなかったらしい。LIFEに写真が掲載されることは、優秀な報道カメラマンを意味していた時代もあったことから、「報道カメラマンを目指すのなら縦位置撮影を」などとカメラ入門雑誌に書かれていたりもしていた。

そんなこともあり、ミーハーな“しのご”は一時期、好んで縦位置の写真ばかり撮っていた。だからといって、まさか携帯カメラが縦位置を意識しているわけでもないだろうけど。そのアメリカの雑誌も、いまではページの上部に横位置写真があり、下部に記事というレイアウトスタイルが多くなったように思う。

携帯カメラで撮影された画像も、PCに取り込んで保存しておく人は、おそらく少数派だろう。刹那的に撮影された画像は、これまた刹那的に削除され消えていく。まさに諸行無常の世界だ。携帯カメラの画像とはいえ、画像データを積み重ねてストックすれば歴史になるのに……。
2003/12/17(Tue) 18:42:13 | 社会面
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業務日誌ですから、業務のある日は毎日更新する(?)はずです。

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